GLM-4.7を無料で使う方法:完全ガイド
GLM-4.7を無料で使う方法:完全ガイド
Zhipu AI(Z.ai)からリリースされた最新のオープンソース大規模言語モデル、GLM-4.7はAIコミュニティで大きな話題を呼んでいます。総パラメータ数355B(うち32Bがアクティブ)、膨大な20万トークンのコンテキストウィンドウ、そしてSWE-benchで73.8%という驚異的なコーディング能力を誇り、Claude Sonnet 4.5のような独自モデルに匹敵する強力な選択肢となっています。さらに嬉しいことに、複数のプラットフォームを通じて無料でGLM-4.7にアクセス可能です。本ガイドでは、一切費用をかけずにGLM-4.7を利用する正規の方法をすべてご案内します。
GLM-4.7を試す価値がある理由
GLM-4.7はオープンソースAIの大きな飛躍を象徴しています:
- 優れたコーディング性能: SWE-benchで73.8%、LiveCodeBenchで84.9%
- 巨大なコンテキストウィンドウ: 複雑で長いコンテキストを要するタスクでも20万トークンを保持
- 思考の保存: 会話中に推論ブロックを保持し、継続性を改善
- MITライセンス: 商用利用も可能な完全オープンソース
- 多言語対応: 英語と中国語両方のタスクで高性能
- ツール使用能力: τ²-Benchで87.4%を記録しエージェント的ワークフローにも対応
- コスト効率が高い: 独自ソースの代替として非常に低価格
方法1:OpenRouterの無料クレジット
何が得られるか
OpenRouterはGLM-4.7をはじめ複数のAIモデルを統合したAPIを提供し、無料枠で気軽に試せます。
利用手順:
- openrouter.ai にアクセス
- 無料アカウントを作成
- 「Account Settings」でAPIキーを発行
- モデルページでGLM-4.7の提供状況を確認(
zai/glm-4.7等の表示) - OpenAI互換のSDKをOpenRouterのベースURLとともに利用
無料プランの特徴(2025年4月時点):
- 無料モデルで1日50リクエスト
- 1分間あたり20リクエストのレート制限
- 残高が10ドル以上で最大1,000リクエスト/日に拡張可能
API利用例:
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
base_url="https://openrouter.ai/api/v1",
api_key="your_openrouter_api_key"
)
response = client.chat.completions.create(
model="zai/glm-4.7",
messages=[{"role": "user", "content": "Write a Python function to sort an array"}],
max_tokens=1000
)
print(response.choices[0].message.content)プロのコツ:
- OpenRouterのダッシュボードで使用状況を管理、無料枠内に収める
- GLM-4.7の得意なコーディングタスクで活用する
- 複数リクエストをまとめてAPIコールを減らす工夫をする
方法2:Vercel AI Gateway
Vercelを通じた無料アクセス
VercelはGLM-4.7をAI Gatewayに統合し、開発者にシームレスなアクセスを提供しています。
設定手順:
- vercel.com で無料アカウントを作成
- 新しいプロジェクトを作成または既存のものを使用
- AI Gatewayの設定へ移動
- プロバイダーとしてGLM-4.7を追加(モデルIDは
zai/glm-4.7) - Vercel AI SDKを利用し簡単に統合
Vercel AI SDK使用例:
import { generateText } from 'ai';
import { createOpenAI } from '@ai-sdk/openai';
const glm = createOpenAI({
baseURL: 'https://openrouter.ai/api/v1',
apiKey: process.env.OPENROUTER_API_KEY,
});
const result = await generateText({
model: glm('zai/glm-4.7'),
prompt: 'Explain how Mixture-of-Experts architecture works',
});
console.log(result.text);メリット:
- レート制限やキャッシュが組み込み済み
- Next.jsプロジェクトと簡単に統合
- 趣味や小規模プロジェクト向けに無料プランあり
- デプロイのワークフローがスムーズ
方法3:Hugging Face Inference API
無料推論アクセス
Hugging FaceはGLM-4.7をホスティングし、無料で推論APIを提供しています。
始め方:
- huggingface.co/zai-org/GLM-4.7へアクセス
- 無料のHugging Faceアカウントを作成
- モデルの利用規約に同意(必要に応じて)
- 設定からアクセストークンを生成
- Inference APIエンドポイントを利用
API例:
import requests
API_URL = "https://api-inference.huggingface.co/models/zai-org/GLM-4.7"
headers = {"Authorization": "Bearer your_hf_token"}
def query(payload):
response = requests.post(API_URL, headers=headers, json=payload)
return response.json()
output = query({
"inputs": "Write a detailed explanation of machine learning concepts",
})無料プランの制限:
- レート制限:約300リクエスト/時
- サーバー負荷によりキュー待ち時間が発生する場合あり
- 実験やプロトタイピングに最適
方法4:GGUFによるローカル展開
ローカルでGLM-4.7を実行
完全なプライバシー確保と無制限利用には、GLM-4.7の量子化モデルをGGUFフォーマットでローカル展開がおすすめです。
必要条件:
- 十分なRAMを搭載したPC(快適に使うなら32GB推奨)
- Ollamaまたはllama.cppのインストール
- Hugging FaceからGGUFモデルのダウンロード
Ollama利用例:
# GLM-4.7用のModelfile作成
echo "FROM ./GLM-4.7-GGUF/glm-4.7.Q4_K_M.gguf" > Modelfile
echo "PARAMETER temperature 0.7" >> Modelfile
echo "PARAMETER top_p 0.9" >> Modelfile
echo "PARAMETER num_ctx 200000" >> Modelfile
# モデル作成
ollama create glm-4.7 -f Modelfile
# モデル実行
ollama run glm-4.7 "Write a Python script for data analysis"llama.cpp利用例:
# llama.cppのダウンロードとビルド
git clone https://github.com/ggerganov/llama.cpp
cd llama.cpp
make
# モデル実行
./main -m GLM-4.7-GGUF/glm-4.7.Q4_K_M.gguf \
-p "Explain quantum computing in simple terms" \
-n 512 \
-c 200000メリット:
- 完全なプライバシーを保持(データは機器外に出ない)
- レート制限やAPIコストなし
- 量子化レベルを調整可能
- オフラインでも使用可能
推奨ハードウェア:
- 最低:4bit量子化で16GB RAM
- 推奨:快適利用のため32GB以上
- GPUアクセラレーションは任意だが高速化に有効
方法5:OpenCode AI Chat
OpenCode経由の会話型アクセス
OpenCodeはGLM-4.7を含むAIモデルと対話できる使いやすいチャットインターフェースを提供しています。
利用方法:
- OpenCodeのプラットフォームへアクセス
- 新規会話を開始
- モデル選択ドロップダウンからGLM-4.7を選択(利用可能なら)
- モデルとチャット開始
主な用途例:
- 素早いコーディング支援
- デバッグのアドバイス
- コード解説
- プログラミング学習
利点:
- APIキー不要
- 直感的なチャットUI
- 技術に詳しくない人でも使いやすい
- 気軽な実験に最適
方法6:Z.ai公式プラットフォーム
ソースから直接アクセス
GLM-4.7の開発元Z.aiは、独自プラットフォームでモデルへの直接アクセスを提供しています。
はじめ方:
- z.ai にアクセス
- 無料アカウントを作成
- GLM-4.7セクションに移動
- WebインターフェースまたはAPIでモデル利用
- 無料枠やキャンペーンをチェック
API利用例:
import requests
API_URL = "https://open.bigmodel.cn/api/paas/v4/chat/completions"
headers = {
"Authorization": "Bearer your_zai_api_key",
"Content-Type": "application/json"
}
payload = {
"model": "glm-4.7",
"messages": [
{"role": "user", "content": "Help me understand neural networks"}
]
}
response = requests.post(API_URL, headers=headers, json=payload)
print(response.json())無料枠について:
- 新規ユーザー向けに無料クレジットがあることが多い
- ウェブサイトで最新のプロモーションを確認
- 無料枠には1日・1か月あたりの制限がある場合あり
方法7:Puter.js統合
無料のサーバーレスアクセス
Puter.jsはユーザーが自身で費用を負担するユニークな「ユーザーペイ」モデルを提供し、APIキーやサーバー環境なしでAIを利用可能にします。
始め方:
- HTMLファイルにPuter.jsを組み込む:
<script src="https://js.puter.com/v2/"></script>- GLM-4.7を使う例:
puter.ai.chat(
"Write a function to implement binary search",
{ model: "z-ai/glm-4.7" }
).then(response => {
console.log(response);
puter.print(response, {code: true});
});メリット:
- APIキー不要
- ユーザーが自身の利用分のみ支払う仕組み
- クライアントサイドアプリに最適
- サーバーインフラは不要
注意: Puterの公式ドキュメントでGLM-4.7の対応状況を最新確認してください。
無料利用を最大化するコツ
賢い利用戦略
1. リクエストの最適化:
- タスクに合ったモデルサイズを選ぶ
- プロンプトは具体的にし、トークン消費を抑える
- 複雑な処理は細かく分割
2. キャッシュの活用:
- 頻出質問はレスポンスをキャッシュ
- TTL(有効期限)を設定してキャッシュ無効化
- API呼び出しを最大60%削減可能
3. バッチ処理の活用:
- 関連する複数のクエリを一括リクエスト
- 大量処理をバッチで効率化
- APIオーバーヘッドを削減
4. プラットフォーム選び:
- API利用ならOpenRouterがおすすめ
- Next.js開発ならVercel AI Gateway
- 実験ならHugging Faceが手軽
- プライバシー重視ならローカル展開
よくある制限と対策
レート制限:
- 問題点: 無料プランのリクエスト数制限
- 対策: リクエストのキューイング、複数プラットフォームを活用、またはローカル展開
コンテキストウィンドウ:
- 問題点: 一部プラットフォームで無料枠は短い場合あり
- 対策: 対応するサービスでGLM-4.7の20万トークンを活用、またはローカルで利用
キュー待ち時間:
- 問題点: 無料APIは混雑時に待ち時間が発生
- 対策: オフピーク時間を狙う、ローカル展開に切り替え
パフォーマンスベンチマーク
| ベンチマーク | GLM-4.7スコア | GPT-4o | Claude Sonnet 4.5 |
|---|---|---|---|
| SWE-bench | 73.8% | 71.8% | 72.0% |
| LiveCodeBench | 84.9% | 82.1% | 83.5% |
| τ²-Bench | 87.4% | 85.2% | 86.1% |
| Terminal Bench 2.0 | 41% | 38% | 39% |
複数ベンチマークテストからの集計データ
GLM-4.7の最適な活用ケース
1. コード生成とデバッグ:
- 実用的なコード作成
- 複雑なバグ修正支援
- 既存コードのリファクタリング
- テストケース生成
2. エージェント的ワークフロー:
- Claude Code、Cline、Roo Codeとの連携
- 自動化コーディングアシスタントの構築
- AI搭載開発ツール開発
3. 多言語対応アプリケーション:
- 英語と中国語の両対応
- コードの言語間翻訳
- ローカライズ作業
4. 長文コンテキストの推論:
- 大規模コードベース分析
- 長文ドキュメントレビュウ
- 複数ファイルプロジェクトの処理
統合例
Cursor(AIコードエディタ)での利用例:
// OpenRouter経由でGLM-4.7をCursorに設定
// 設定 → モデル → カスタムモデル追加
Model ID: zai/glm-4.7
Base URL: https://openrouter.ai/api/v1
API Key: your_openrouter_keyVS Code (Continue拡張機能) での設定例:
// .vscode/settings.json
{
"continue.model": "zai/glm-4.7",
"continue.apiBaseUrl": "https://openrouter.ai/api/v1",
"continue.apiKey": "your_openrouter_key"
}安全性とベストプラクティス
APIキーの管理
- APIキーをソース管理に絶対コミットしない
- 環境変数で安全に管理
- 定期的なキーのローテーション
- 不正利用の監視
責任ある利用
- プラットフォームの利用規約を遵守
- 無料枠を商用目的で乱用しない
- 必要に応じて有料プランへアップグレード
- モデル利用時は出典の明記を検討
データプライバシー
- クラウド利用時はデータ保持ポリシーを確認
- 機密データはローカル展開で管理
- プラットフォームのプライバシーポリシーを把握
- 必要に応じてデータのサニタイズを実施
有料プランを検討すべきタイミング
有料アクセスが必要な状況:
- 無料枠のレート制限に頻繁に達する
- 本番利用における安定した稼働が必要
- 高速応答時間を求める
- 商用アプリケーション開発時
- ファインチューニングなど高度な機能を使いたい
アップグレードオプション:
- OpenRouter: 従量課金で手頃な価格設定
- Z.ai コーディングプラン: Claudeレベルのコーディングが月3ドル
- Vercel Pro: AI Gatewayの拡張機能付き
- セルフホスティング: 自前インフラでの展開も可能
ホスティング推奨:
本番環境でスケーラブルに運用するなら、LightNodeのAI最適化クラウドソリューションを検討してください。専用GPUインスタンスによる安定したパフォーマンスとシームレスなスケーリングが可能です。
よくある問題の対処法
「Model not available」エラー
- 混雑の少ない時間帯に再試行
- 利用プラットフォームがモデル対応か確認
- 別のプラットフォームを試す
- モデルIDが正しいかチェック
レート制限超過
- 制限解除まで待つ
- キューイングを実装
- 複数APIキーを使う(許可されている場合)
- 高頻度利用ならローカル展開を検討
ローカル展開時のメモリ不足
- より強い量子化(例:Q4_K_M)を利用
- コンテキストウィンドウを縮小
- 他のアプリを終了してRAM確保
- GPUアクセラレーションの利用を検討
ローカル推論の遅延
- GPUアクセラレーションを有効化
- 量子化レベルを下げる
- max_tokensを減らす
- より高性能なマシンを使用
結論
GLM-4.7はコーディング、推論、エージェントタスクに優れ、複数の無料プランやオープンソースの展開方法で気軽に利用可能です。Claudeの代替を探す開発者、最新モデルを研究したい研究者、AIを試してみたい趣味者など、あらゆるニーズに合う無料アクセス方法があります。
すぐに始めるおすすめ:
- 初心者: OpenRouterやHugging Face Inference APIからスタート
- 開発者: Vercel AI Gatewayでのシームレス統合
- プライバシー重視: GGUF量子化モデルでローカル展開
- 実験好き: 複数プラットフォームを試して最適を見つける
- 本番利用者: 有料プランへアップグレード、またはLightNodeでセルフホスト
覚えておいてください: 無料アクセスは非常にありがたいものですが、サービスやオープンソースプロジェクトを支援するためにも、有料プランへの移行やコミュニティへの貢献、GLM-4.7の利用表明を検討しましょう。
GLM-4.7は強力なAI機能の民主化を象徴します。無料アクセス方法を駆使すれば、費用の壁なく開発・検証・革新が可能です。AIの未来はオープンであり、GLM-4.7が先頭に立っています。
GLM-4.7を大規模に展開する準備はできていますか?
LightNodeのGPU最適化クラウドソリューションで専用リソースとエンタープライズ級のパフォーマンスを活用しましょう。